「テストや受験のために、英語の基礎をしっかり固めたい」 「仕事や旅行で使える英語を、もう一度基本から学び直したい」
英語の学習において、**世代を問わず最も大切なのが「中学で習う英文法」**です。ここがしっかりしていれば、応用力は格段に上がります。
この記事では、英語の根幹となる中学1年生で学習する英文法の最重要ポイントを、例文と共に丁寧に解説します。学生の皆さんは総復習として、大人の皆さんは記憶を呼び覚ますガイドとして、ぜひご活用ください。
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解説
1. 英語の絶対的ルール:文の語順は「SVO」
英語の文を作る上で、絶対に外せない大原則が「語順」です。 日本語のように助詞(「~が」「~を」)がない英語では、単語の置かれる位置が文の意味を決定します。
基本の語順:『主語(S)』 → 『動詞(V)』 → 『目的語(O)など』 (「誰が/何が」→「どうする/~です」→「何を/誰に」)
I play tennis. 私はテニスをします。 (主語: I → 動詞: play → 目的語: tennis)
この「SVO」の型を、常に頭に置いて英文に触れるようにしましょう。
2. 「~です」「~いる」を表す基本動詞 be
動詞
be
動詞は、「~は~です」「~な状態です」のように、主語とその後ろの語をイコールで結ぶ役割や、「~にいる/ある」という存在を表す、非常に重要な動詞です。主語によって形が変わるのが特徴です。
主語と be
動詞の正しい組み合わせ
主語 | be動詞 | 例文 | 意味 |
I (私) | am | I am a student. | 私は生徒です。 |
he, she, it など (彼、彼女、それ) | is | He is kind. | 彼は親切です。 |
you, we, they など (あなた、私達、彼ら) | are | They are my friends. | 彼らは私の友達です。 |
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be
動詞の否定文・疑問文はシンプル!
- 否定文(~ではない):
be
動詞の直後にnot
を置きます。This pen isnot
mine. このペンは私のものではありません。 - 疑問文(~ですか?):
be
動詞を文の先頭に移動させます。Are
you a student? あなたは生徒ですか? - 応答: 質問で使われた
be
動詞で答えるのが基本です。Yes, I am. / No, I’m not. はい、そうです。/ いいえ、違います。
3. 動きを表す 一般動詞
play
(する)、study
(勉強する)、like
(好き)など、be
動詞以外の、具体的な動作や状態を表す動詞をまとめて一般動詞と呼びます。
I play the piano. 私はピアノを弾きます。
否定文・疑問文では do
を使う
一般動詞の文を否定・疑問にする場合は、助動詞の do
が必要です。
- 否定文(~しない): 動詞の前に
don't (do not)
を置きます。Idon't
play the piano. 私はピアノを弾きません。 - 疑問文(~しますか?): 文頭に
Do
を置き、**動詞は元の形(原形)**にします。Do
you study English? あなたは英語を勉強しますか? - 応答:
Do
で聞かれた質問にはdo
を使って応答します。Yes, I do. / No, I don’t. はい、します。/ いいえ、しません。
4. 最重要ルールのひとつ「三単現のs」
少しややこしく感じるかもしれませんが、非常に重要なルールです。「三人称・単数・現在形」の略で、以下の3つの条件がそろうと、一般動詞の語尾に s
や es
がつきます。
- 主語が「三人称」 (I, you 以外の人やモノ)
- 主語が「単数」 (一つ、一人)
- 時制が「現在形」 (現在の習慣や事実)
- 基本は
s
をつけるHe plays
soccer. (彼はサッカーをします。) - 語尾によって
es
をつける (-s, -x, -sh, -chで終わる動詞)She goes
to work by train. (彼女は電車で仕事に行きます。) - 「子音字+y」は
y
をi
に変えてes
My sister studies
English. (私の姉は英語を勉強します。)
三単現の否定文・疑問文
三単現の文では、助動詞は do
ではなく does
を使います。このとき、動詞は必ず元の形(原形)に戻ることを忘れないでください。
- 否定文: 動詞の前に
doesn't
を置きます。Hedoesn't
play the piano. (彼はピアノを弾きません。) - 疑問文: 文頭に
Does
を置きます。Does
he like apples? (彼はリンゴが好きですか?)
5. 表現が豊かになる 助動詞
動詞の前に置くことで、様々なニュアンスを加えることができるのが助動詞です。まずは基本の can
をマスターしましょう。
- 可能(~できる):
can + 動詞の原形
Ican
speak English. 私は英語を話すことができます。 - 否定(~できない):
can't (cannot)
を使うHecan't
play the guitar. 彼はギターを弾けません。 - 疑問(~できますか?):
Can
を文頭に置くCan
you swim? あなたは泳げますか? - 依頼(~してくれませんか?):
Can you ~?
は丁寧な依頼表現としても使えます。Can you
open the window? 窓を開けてくれませんか?
6. 質問力を上げる 疑問詞
具体的な情報を尋ねるための単語が疑問詞です。「5W1H」と覚えている方も多いかもしれません。疑問詞は必ず文の先頭に置きます。
疑問詞 | 意味 | 例文 |
What | 何 | What is that? (あれは何ですか?) |
Where | どこ | Where is the stadium? (スタジアムはどこですか?) |
When | いつ | When do you play soccer? (いつサッカーをしますか?) |
Who | 誰 | Who is that girl? (あの少女は誰ですか?) |
Why | なぜ | Why do you study English? (なぜ英語を勉強するのですか?) |
How | どうやって/どのくらい | How many cats are there? (何匹の猫がいますか?) |
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7. 時間の表現 時制
を使い分ける
「いつ」の話をしているのかを明確にするのが時制です。
現在進行形(今、~している)
be動詞 + 動詞の-ing形
で、「今、この瞬間」の動作を表します。
We
are cooking
lunch now. 私たちは今、昼食を作っています。
過去形(~した)
過去の出来事を表すときは、動詞を過去形にします。
be
動詞の過去形:am/is
→was
、are
→were
I was a student last year. (私は去年、学生でした。)- 一般動詞の過去形:
- 規則動詞: 語尾に
-ed
をつけます。(例: watch → watched) - 不規則動詞: 独自の形に変化します。(例: go → went)
- 規則動詞: 語尾に
- 一般動詞(過去形)の否定文・疑問文: 助動詞
did
を使います。この場合も、動詞は原形に戻ります。否定文: Ididn't
watch the soccer game last night. 疑問文:Did
you enjoy the Olympics?
まとめ
ここまで、中学で習う英文法の根幹となる部分を見てきました。
中学生の皆さんは、これらのルールがテストの点数に直結し、高校・大学受験の強固な土台となります。何度も復習して、完璧に使いこなせるようにしましょう。
学び直しをしている大人の皆さんは、この基礎があるだけで、ビジネスメールや海外でのコミュニケーションが驚くほどスムーズになります。学生時代に曖昧だった部分も、今ならきっと論理的に理解できるはずです。
世代にかかわらず、英語上達の鍵は、この「基本」をどれだけ自分のものにできるかにかかっています。この記事をきっかけに、あなたの英語学習がさらに一歩前進することを願っています。